院長のブログ
運転支援システムと大腸カメラ
自動車を運転している皆様,ひやっとしたことはございませんでしょうか?
私はあります.ですので特に交差点では四方八方を見渡して,それでもそろそろっとアクセルを踏むようにしています.
最近ではさまざまな安全運転支援システムが登場していますよね.それでも交通事故はゼロにはなっておりません.
私が専門とする大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)においても同じことが言えます.カメラは車に例えていうとフロントしか見えません.サイドミラーもありません.ルームミラーもありません.ましてやバックモニターも・・・なーんにもなしなのです.ですので,当然大腸ポリープ(大腸腫瘍・大腸癌)の見落としが起こりうるのです.起こるべくして,起こるのです.
当院では,CAD EYEという富士フィルム社製の最新のAIを搭載した内視鏡システムを使用しています.万が一,小さな病変を私が気が付かないことがあっても(あってはいけませんが),CAD EYEが見守ってくれているのです.
今月号のGastroenterology誌からはAIの効果についての研究結果が発表されています.AIを使用して大腸カメラを行うと,使用していない場合に比べて明らかに1回の検査当たりの検出ポリープ数が増えていたということです(Gastroenterology2022; 163: 732-741).
下の写真の上段は,CAD EYEが大腸ポリープを認識したところです(わかりやすくするためにあえて目立つポリープの写真を使用しています).下段はさらに「neoplastic(腫瘍性ですので治療してくださいね.ということです)」と診断まで行ってくれたところです.
私は毎日,CAD EYEと一緒に大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)を行っています.