院長のブログ
胃カメラもいよいよAI登場!!
私は消化管の中でも特に「腸」が専門であるためか,当ブログでは炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎とクローン病)や腸活,大腸がんと大腸ポリープ,大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の話題が多い傾向にありますが,消化器内視鏡専門医でありますので,当然胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)も専門として行っています.
昨年ある研究会で発表させて頂いた際に,当院での胃カメラにおける「がん」発見率を調べたことがあります.平均で約1.1%の割合で食道がん,胃がん,十二指腸がんを発見していました.
これは検診での胃がん発見率が0.22%(平成25年消化器がん検診全国集計)であることや50歳以上で無症状の方では0.5~1.0%(胃内視鏡検診マニュアル)であることを考えると決して低くなく,むしろ高いと言えます.高い分,より早期で小さながんを発見しているということになります.
これまでブログでは大腸がんの発見にLCIやBLIというレーザーを用いた画像強調内視鏡(IEEといいます)がいかに有用であるかということを強調してきましたが,これは胃がんや食道がんについても同様で,これまでに多くの報告があります(下記のスライド参照,井上拓也,令和4年1月大阪内視鏡セミナー).このため当院では胃カメラでもすでに白色光(通常の波長の光)での観察はほぼ行っておらず,すべてLCIやBLIといった特殊な光を用いたIEEで検査を行っています.
そして,今年からはいよいよIEE(LCIやBLIといった特殊光)を用いたAIが胃カメラにも登場しそうです.
ブログを書いている1月5日現在,クリニックでは胃カメラのAIを試験的に使用しておりますが,今春より導入する予定となっています.
クリニックでは常に最新の,最先端の設備を用いて,これからは大腸カメラも,そして胃カメラもAIで検査を行っていきます.
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