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院長のブログ

内臓脂肪と炎症性腸疾患の治療効果

潰瘍性大腸炎やクローン病の患者様で,なかなか治らない,もしくは容易に再発するために「分子標的薬」という種類のお薬(内服,皮下注射,皮下自己注射,点滴などいろいろあります)を使用している方がたくさんいらっしゃいます.お薬の名前で言うと,レミケード,ヒュミラ,エンタイビオ,ステラーラなどなどです.

当院でも多く使用しています.ところで,そういった方の中で,お太り気味の患者様に私から時々ダイエットを勧められる方もいらっしゃるかと思います.「腸炎の治療と何の関係が???」とお思いになることも多いでしょう.

潰瘍性大腸炎やクローン病の患者様にインフリキシマブ(レミケード),ベドリズマブ(エンタイビオ),ウステキヌマブ(ステラーラ)のいずれかで治療を開始し,その治療経過と内臓脂肪の関係を明らかにした興味深い研究結果がGastroenterology 2023; 165: 963-975で報告されています.

結果は,内臓脂肪が多い方たちにおいて,これらの分子標的薬による治療効果が弱く,大腸カメラでみても治っていなかったり,ステロイドなどの他の薬を必要とする割合が明らかに多かった,というものでした.

採血では内臓脂肪が多い方たちでは,炎症を促進するサイトカイン(IL-6, TNFa)が多く,炎症を抑えて粘膜の修復を促進するサイトカイン(IL-13)が少なくなっていたそうです.

このため十分な量の治療薬を投与しても,内臓脂肪の割合が高い方たちには効果が乏しく,潰瘍性大腸炎やクローン病がなかなか良くならないということでした.

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太っていても,内臓脂肪はすくないか??今年もハロウィンの季節になりました.

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