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院長のブログ

わらにもすがる

2021年8月現在,新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)は依然として猛威を振るっており,なんとか沈静化しないかと,皆様不安な日々をお過ごしのことと思います.

COVID-19に下痢などの消化管症状を伴うことがあることは報道などでご存じの方も多いと思います(別にCOVID-19に関わらず,インフルエンザなどの他のウイルスについても言えることなのですが).一方で,普段より腸内環境を健康に保つとCOVID-19を抑制する可能性があることが報告されつつあります.

COVID-19患者さんにおいては,重症の人ほど,いわゆる「善玉菌」が重症ではない人に比べて明らかに減少しおり,治療後の回復にも影響していることがGut 2021; 70: 698-706で報告されています.これらの「善玉菌」には以前からブログで取り上げている,食物繊維を発酵させて短鎖脂肪酸を作ってくれる菌が当然含まれています.

また,COVID-19の無症状もしくは軽症の患者さんへの調査の結果,全粒粉・豆類・野菜・果物を積極的に摂取することが推奨され,これらの食物は腸内においては炎症を抑えるばかりか,肺へのダメージにも良い影響を及ぼすことが報告されています(Ther Adv Respir Dis 2020, 14: 1-5).

つまり食物繊維が豊富な食事によって腸内環境を健康に保つことが,肺炎の重症化や全身の高度な炎症を抑制する可能性があるとのことです.

わらにもすがると言っては,食物繊維に失礼でしょうか?

 

 

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