泉大津市のいのうえ消化器内科クリニック

腸を健康に保って感染症からからだを守りましょう

昨年夏にこのブログ内でCOVID-19の重症化と腸内環境の関係についてのお話をしたと思います。

肺と腸は密接に関係していて、腸内細菌叢の変化は肺の細菌叢へも影響を及ぼし、腸内細菌叢の影響を受けた免疫担当細胞もまた肺の炎症にも関係するとの事です(Inflamm Bowel Dis 2020; 26)。

また、Zhangらの報告によれば、COVID-19に感染すると腸内細菌叢のバランスが悪くなり(dysbiosisと言います)、その結果、炎症から体を守ってくれる短鎖脂肪酸や風邪の時の筋肉痛や倦怠感を和らげてくれるイソロイシンというアミノ酸の産生が少なくなり、コロナウイルスが体からいなくなった後もその悪い状態がしばらく続くとのことです(Gastroenterology 2022, 162)。

皆さま、腸内環境を健康に保って感染症から身を守りましょう。