泉大津市のいのうえ消化器内科クリニック

炎症性腸疾患の方への食事・栄養療法のガイダンスupdate

これまでも当ブログで炎症性腸疾患に関する食事についてのお話をしばしば行ってまいりましたが,この度AGA(米国消化器病学会)から食事・栄養療法のガイダンスがupdateされましたので,以下の通り紹介したいと思います(Gastroenterology 2024; 166: 521-532)

・地中海食(新鮮な果物,野菜,一価不飽和脂肪酸(オリーブオイル),複合炭水化物(デンプンや食物繊維を含むもの.反対に単純炭水化物である砂糖はお勧めされていません),低たんぱく,低ウルトラプロセスフード(超加工食品:いろいろありますが,インスタント食品やスナック菓子,炭酸ジュースなどなど))が潰瘍性大腸炎・クローン病に関わらず強く推奨されています.

・赤肉(代表的には牛肉のこと)・加工肉を控えることは潰瘍性大腸炎が悪くなることを予防します.

・クローン病で腸が狭くなっている方は,食物繊維を柔らかく調理したり,細かく刻んだり,よく噛んで食べることが推奨されています.果物の皮はむきましょう(例えば,リンゴの皮は食べない,など).腸が狭くなっていない方は制限がありません.

・クローン病の方については,特に栄養療法(日本では主にエレンタール®を用います)が強く推奨されています.1日摂取カロリーの50%以上を栄養療法で補うことが目標ですが,少なくとも25%は栄養療法で補いましょう.これは1日の摂取カロリーを2400kcal(エレンタール®8本分です)と仮定すると,2本以上毎日飲みましょうということになります.

以上の事柄が主として述べられています.参考にして頂ければと思います.

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